中堅企業の中年サラリーマンです。新しい上司のもとで事業部の企画部門で働くことになりました。上司はマネージメント力がある方として社内で知られています。
上司は私の所属する企画部門に対し、売上や原価、経費、減価償却などtといった数字とその根拠を出すよう次々に求めてきます。そして、部門全体の数字を把握・予測しながら、部下を指導し、業績を改善させました。これがいわゆる『管理会計』というヤツかな、と感じています。
ネット上では『ダメ上司はこんな人』というような内容の記事を多く見かけますが、すぐれた上司の実例を書いてみようと思います。自分の備忘録にもなります。
管理会計で、数字だけを見ていると陥りがちになるのは
利益をどうやって出すか、会計の数字を見ていると「人件費を減らせば費用が減るので、その分営業利益が増えるのではないか」という議論になりがちです。それは正解です。しかし、それだけが正解ではない、というのが私の実感です。
つまり、人件費はコスト削減の対象でなく”利益を生む源”という考え方をすべきだと考えています。
それには色々な意味が含まれますが、今回は、財務的な視点で少し綴ってみます。
『売上総利益』に着目
まず、P/L(損益計算書)から見てみましょう。
”売上高-原価”が売上総利益ですが、いわゆる”粗利”です。
営業利益は”売上総利益-費用”ですので、売上総利益を増やす活動が必要となります。
粗利を稼ぎ出す工夫をするのが人材で、その力をつけるのが人材育成
費用の削減には限界があります。人件費を削りすぎると製品サービスの品質に影響が出て、売上を落とす悪循環になりかねません。
成長を目指す企業は、売り上げを拡大して売上総利益を目指すのは自然です。そしてそれを生み出す原動力が、"人材"と考えます。
つまり、人件費の増減は必ず売上総利益と結びついている、ということを管理会計を扱う人間は忘れてはならない、ということです。
結び
数字だけを見ていては、人件費と売上総利益との関係は見えてきません。これは現場にいて実感しています。
この関係性を具現化する現場の活動は多岐にわたり、”会計”の領域を超えているといっていいかもしれません。しかし、管理会計の目的は数字を集めて数字だけで分析することではありません。現場がより良い活動を選択し実践するのを手助けすることです。
それを文章で再現してお伝えするのは、別の記事を設けたいと思います。
また、『財務の視点での人材』についても、別の見方がありますので、あらためてご紹介いたします。
記事のタイトルで『人材がプロフィット』というのは正しくありません。このくらいに思わないと”数字集め屋”は『人件費=コスト』と短絡的に考えてしまいがちですので、あえて挑戦的な書きぶりにしてみました。
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