
小さなころから極度のアガリ症で、今は社長の前などでもプレゼンをする場面がありそうだと、同僚に任せてしまうという悪い性格です。
しかし、そんなこと言っていられない事態が起こりました。アメリカでの一般向けの展示会会場で、舞台に上がって20分間自社製品をPRする機会がもらえ、自分がその役を受けることになったのです。
普段の商談でそれほど困る場面がなくなったとはいえ、外国人に慣れている商談相手とは違い、一般の方々向けです。展示会のブースにいて応対しても聞き取れなかったりすることもあります。
さあ、どう乗り切ったか。
"プレゼン"というものの目的は本来何なのか?
自分で言うのもなんですが、どちらかというと完璧症な性格です。話す内容をしっかり覚え、はっきりとした発音で話す、質問にも問題なく答えられるようにする、とやらなければならないことがたくさんあります。
なんてことは考えなくてもよい、ということに気づきました。
正確には忘れましたが、とあるメルマガで紹介されていた一句が私を救ってくれました。
プレゼンは、『自分が何をしなければいけないか』でなく『相手に何を伝えるか』に意識を向ける
そうでした。プレゼンはテストのようなものとは違い、どこまで完璧にできるかを競うものではありません。『間違わないように』ということではなくて『目の前に相手に何を伝えるか』ということに意識を向けるといい、ということに気づきました。
それはそうですね。
プレゼンでの話し方 現場でやり方を急に変えてみました
当日までやろうと思っていなかったことを、2つやってみました。
客席に近づいて話す
私の一つ前のプレゼンをしていたアメリカ人がやっていた方法です。マイクがワイヤレスで、その方はひな壇から降りて座っている方のそばに行き話していました。客席に降りて話し始めると、発表者と聴衆が一体になってプレゼンが進行している、という雰囲気にガラリと変わりました。
ここはアメリカなんだし、日本のように1カ所で話すのは好まれないかもしれないので思い切って自分もやってみよう、と思い、実践してみました。
やはり、聴衆と離れているときより、「聴いてくれてる」感が強まり、話すリズムなどを場の空気に合わせやすくなりました。
一番遠くの人を見て話す
日本で気づいていたことだったのですが、このアメリカでのプレゼンが最初の実践の場でした。
この方法が効果的だと言われている理由は2つです。
自分の近くに座る方は、自分かこれからの発表内容に関心があります。ですので、こちらが目を向けなくても話を聞いてくれます。
それより、遠くで様子を窺っている方に話しかけ、興味を持ってくれた方が、プレゼンとしては効率的です。
これは、コンサートのMCが上手なことで知られるさだまさしさんがテレビかラジオの番組で紹介していたものです。
もう一つは、遠くの人に話しかけようとすると自然に声が大きくなります。聴いている側からすると「この人は製品に自信があるんだな」と感じるようです。
こちらは、やはり誰かから聞いたものですが、他の方のプレゼンを聞いたときに自分自身で感じたことです。
結果は
それぞれのやり方を合わせ、無事発表を終えることができました。
質問もいくつか出ましたが、事前に想定問答を考えていたこともあり、問題なく終わることができました。
プレゼンの後に近づいてきて質問をされる方も2,3人いらっしゃいました。
まとめ
- 『きちんと話せるか』でなく『相手に何を伝えるか』に意識を向けて話すようにする
- 客席に近づき、一番遠くの人に話しかける
実はその展示会では現地子会社の社員と一緒にブースの応対をしていました。私のホンネは「オマエの担当の国なんだからオマエが発表しろよ!」。
まあ良い機会だったので、結局面と向かって文句は言いませんでしたがね。
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