売上の伸びが期待できずそれでも利益を上げる、となった場合にまず考えつくのは『経費削減』だと思います。
「一律30%カットだ」と言うのはたやすいですが、それでは会社は儲かりませんね。利益を生み出す経費や、使い方を変えれば少ない経費で同じだけの効果を生む可能性があるからです。
とはいえ、私もまだ座学程度なので、実践例のご紹介はここではできません。備忘録のようなまとめ方になってしまいます。
削減する経費をどのような視点で考えるか
削減すべき経費を分類してみます。ここでは"固定費"に着目します。
- 将来の利益を生む経費
- 利益を生まない経費
- 使い方を変えるだけで同じ利益をもたらす経費
このほかに変動費である材料費もコスト削減対象にはなりますが、今回の記事では割愛します。
将来の利益を生む経費
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固定費とは付加価値を獲得するための犠牲コストですので、支出額以上の付加価値を獲得できれば価値のある固定費ということになります。
市場開発経費、製品開発経費、人材開発経費及び経営開発経費をいいます。
固定費は、いつも悪者扱いされます。もちろん支出額が少ないにこしたことはないでしょうが、現在の収益には貢献せずとも、将来の事業拡大や収益への貢献を狙いに、固定費をうまく使ってください。
将来価値を生む固定費は、今削ってしまうとそれだけ事業拡大などのスタートが遅れます。世の中が激しく変化している昨今では、この意思決定の速さは大きなポイントとなります。
利益を生まない経費
なくてはならない経費ですが、それ自身で自社製品の価値を高めるものではないものです。
分かりやすい例が、社有車に入れるガソリンです。
近所のガソリンスタンド2社のカードを持っておき、毎月安い方のカードを使うようにするとかの工夫ができると思います。
使い方を変えるだけで同じ利益をもたらす経費
分かりにくい例ですが、例えば、北海道のような遠い出張先でなく近県の顧客を重点的に回ることで、移動コストを落として同じ売上・粗利を稼げる可能性がないか、を考えます。
この検討は、現場の人間でしかわかりません。上司でも社長でもなく、現場の人間に徹底的に考えさせることです。
固定費は予算化すること
このようにして検討して削減した経費を予算化してください。予算は月ごとに作成します。
そして、毎月経費の支払い実績を現場の人間と一緒に見て、売り上げ・粗利への効果を検討し、気づいたことがあれば修正し次の月のアクションにします。これには『徹底して諦めない』上司の姿勢が必要です。業績下降のときにこそ現場の人間に最後まで徹底して考えさせること、それが上司の責任です。
どこまで経費を使われそうか資金繰りを考える経理財務部門の目安にもなります。
管理会計の役目は、現場に一刻も早く振り返りができるよう必要なデータを迅速に整えること、現場での意思決定を数字にして財務経理部門に渡すことだと思います。
それは社員にとって何が良いのか
ここが社員が気づくといいかな、と思われる点です。
削減された経費は会社に現金として残る。黒字になればそれが社員の給料に回ってくる
他人にあげてしまうなら社内に現金を残した方が社員へあげる給料の原資になりますので、いいに決まっています。
将来の利益を生み出してくれれば、それも社員の給料にはねかえる
すぐに実になりませんが、これも社員の給料が上がるポイントとなりますね。
まとめ
経費を分類して削減する経費とそうでない経費を見極めましょう。
実際に現場で見たのは、『絶対にあきらめず』に部下の気づきを待つ上司の姿勢ですね。
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